No.2が組織を強くする理由

「大番頭という存在を目指したい」――
トヨタの近健太・次期社長が記者会見でそう語ったことが話題になりました。

この“大番頭”という言葉、昭和的で古臭い印象を持つ方もいるかもしれません。

実際、「何それ? 番頭さんの親分?」のように疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。
しかし令和の現代、まさにこの存在が中小企業の経営現場に求められているのではないでしょうか。

No.2=大番頭の存在の役割とは? そして中小企業での育て方とは?
本日は大番頭について考えてみたいと思います。

「大番頭」とは?その役割を再定義する

大番頭とは、元々は商家における番頭の中でも筆頭格を指す言葉で、
主(=社長)を実務面で支える右腕です。

おおばんとう…商店の、番頭の中の筆頭者。
おおばんがしら…江戸幕府の職名。大番組(※)の長。

経営で言えば、No.2として社長の思いを受け止め、現場で実現に導く存在。
意思決定こそ社長に委ねつつも、現場を知り、人を動かし、組織を支えるキーマンでしょう。

トップとNo.2の具体例でいえば、

■HONDA:本田宗一郎/藤沢武夫
■松下電器:松下幸之助/高橋荒太郎
■SONY:井深大/盛田昭夫
■読売巨人軍:川上哲治/牧野茂
■新選組:近藤勇/土方歳三

というように、企業はもとより多様な組織でNo.2は活躍します。
漫画『課長 島耕作』シリーズの、吉原初太郎・木野穣コンビもその典型です。

なぜ「No.2」が今、必要なのか?

トヨタのような大企業では「創業家×参謀」のセットが昔から定番。
しかし、中小企業ではNo.2の存在が曖昧なままになっているケースが少なくありません。

特に社員数が30人を超えたあたりから、社長のワントップ経営は限界を迎えます。
そうなると起こる現象として、

・現場の課題を拾いきれない
・社員との距離が開く
・組織全体の動きが鈍る    等が挙げられます。

このときこそ必要になるのが、社長に代わって組織を束ねる「No.2」の存在です。

中小企業におけるNo.2の実像とは?

中小企業でのNo.2とは、単なる「副社長」「専務」等の役職を指すのではありません。

・現場に目が届く
・社長の意図を翻訳できる
・組織に本気で向き合える
・自分は裏方だという覚悟がある

まさに「黒衣(くろご)」※として、表に出ずとも会社の屋台骨を支える人材です。

黒衣(くろご)は、歌舞伎や人形浄瑠璃で、観客からは見えないという約束事のもとに舞台上に現われ、
後見として役者や人形遣いを助けたり、小道具を役者に渡したり舞台から下げたりする係。また彼らが着用する黒づくめの特殊な衣装のこと。

No.2育成のカギは社長の決意

No.2は勝手には育ちません。
社長が「この人に任せる」と決め、宣言し、委任し、育てる必要があります。

重要なのは次の5ステップです。
1. 適性のある人を選ぶ(能力よりも気質)
2. 役割を明確にし、任せる
3. 情報・悩み・夢を共有する
4. 意思決定のプロセスを一緒に学ばせる
5. 成長を感謝し、評価する

表に出たNo.2。中小企業はどうする?

かつて裏方に徹していたはずの“大番頭”が、いま表舞台に立ちました。
変化が速い現代。自社には社長を支えてくれる存在が必要な気がします。

・社長の右腕はいるか?
・現場に強く、数字に厳しい人はいるか?
・自分の引き継ぎ相手を育てているか?

今こそ、“もう一人の自分”を育てるタイミングです。

今回お話した内容は、以下の研修のエッセンスです。 
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