プレイングマネジャー状態は、本人の問題なのでしょうか

今回は、ある現場責任者・中間管理職の方から、こんな相談がありました。

「管理業務が本来の役割なのですが、現場対応だけで月200時間ほど取られています。
シフト管理や請求、事務処理が滞り、この回し方で本当にいいのか、正直、判断がつきません。」

いわゆるプレイングマネジャー状態が、慢性的に続いているケースです。

現場が回らない以上、自分が出るしかない。誰かがやらなければ仕事が止まる。
そう分かってはいても、「これは本来の役割なのか?」という違和感だけが、ずっと残り続けている。
現場では、決して珍しくない相談です。

よくある整理のされ方

この手の相談は、次のように整理されがちです。

・人が足りないのだから仕方ない
・管理職なのだから現場も見るべき
・忙しいのは信頼されている証拠
・いずれ落ち着けば管理に戻れる

実際、周囲からも「あなたがいないと回らない」と言われることも多いでしょう。
その結果、管理職本人は立ち止まるタイミングを失い、
判断を先送りにしたまま、現場に張り付き続けます。

Q. それって、本人の段取りや覚悟の問題では?
A. そう見える場面もあります。

ただ、この相談を少し引いて見ると、別の論点が浮かび上がってきます。
問題は、「現場に出ていること」そのものではありません。


問題は「忙しさ」ではなく「役割の集中」

このケースで起きているのは、

・現場対応
・突発トラブルの処理
・判断の最終責任
・管理業務の遅延

これらが、一人の管理職に集約されている構造です。

つまり、
・管理職が現場に出る前提
・管理業務は後回しでいいという空気
・「できる人が埋める」運用
・判断基準が言語化されていない

こうした前提が整理されないまま、「とりあえず回す」状態が続いているわけです。

Q. でも現場が回らない以上、出るしかないのでは?
A. 「仕方ない」で済ませると、構造は固定されます。

この状態を続けると、

・管理業務は常に後手になる
・現場は管理職に依存する
・次の管理職が育たない
・判断は属人化する

結果として、一番責任感の強い人が、いちばん消耗する構造が出来上がります。
これは、本人の努力や能力の問題ではありません。

共通して見られる職場の特徴

プレイングマネジャー状態が慢性化している職場には、次のような共通点があります。

・管理職の役割が広く、曖昧
・管理と現場の切り分けがされていない
・判断基準が個人任せ
・善意と我慢で回っている

その結果、
「この回し方でいいのか分からない」という感覚だけが、管理職の中に残ります。

問い直したいのは「誰が悪いか」ではありません。

この相談の本質は、
・管理職が弱いのか
・現場が甘えているのか という話ではありません。

・なぜ、その役割分担になっているのか
・どこまでを管理職が抱える前提なのか
・そもそも、判断基準は共有されているのか
・構造と順番を整理する余地があるかどうか  という話です。

管理職が現場に張り付き、管理業務が後回しになり続ける状態は、長く続けられるものではありません。

「頑張れば何とかなる」と感じているうちは、判断できません。
一度、個人から視点を離し、構造として整理する
それだけで、見えるものが変わることがあります。


▼ ご相談について

・誰が悪いのか分からない
・忙しさの話で終わってしまう
・研修や制度の前に、何かズレている気がする
・そんな段階のご相談も歓迎しています。

まずは、

・今、何が一人に集中しているのか
・どこがまだ定義されていないのか
・判断を止めている要因は何か
・を整理するところから始めます。

【ご相談はこちらから】

Contact