有休が取れないのは、管理職の責任なのでしょうか
今回は、介護施設で働く中間管理職の方から、こんな相談がありました。
「職員は計画的に有休を取得していますが、その分、勤務表の調整はすべて自分に回ってきます。
このままだと、私はほとんど有休を取れません。不公平感もあり、正直ストレスが溜まっています。」
有休は労働者の権利。それは十分に理解している。
それでも、チームや職種によって取得状況に大きな差が出ている現実の中で、調整役を担う中間管理職だけが疲弊していく。
現場では、決して珍しくない状況です。
このような相談は、表面的にはこう整理されがちです。
- 有休は個人の権利
- だから管理職は調整役として我慢すべき
- 中間管理職は板挟みになるのが仕事
実際、調べてみても
「有休は積極的に取得しましょう」という
職員側の視点の情報ばかりが目に入ります。
その結果、
管理職は声を上げづらく、黙って抱え込むことになります。
Q. それって、管理職の段取りや覚悟の問題じゃないですか?
A.そう見える場面もあります。
ただ、この相談をもう少し引いて見ると、別の論点が浮かび上がってきます。
問題は「有休を取る・取らない」そのものではありません。
問題は「有休」ではなく「役割の集中」
このケースで起きているのは、
- 有休取得の調整
- 勤務表作成
- 現場フォロー
- クレームや突発対応
これらが、特定の中間管理職一人に集約されている構造です。
つまり、
- 有休取得のルール
- 調整の分担
- チーム内での責任の持ち方
こうした前提が整理されないまま、「誰かが何とかする」状態になっているわけです。
Q. でも現場が回らない以上、誰かが犠牲になるしかないのでは?
A.「仕方ない」と片付けてしまうと、同じ構造は何度でも繰り返されます。
ここで立ち止まって考えたいのは、
- 調整業務は、本来誰の役割なのか
- どこまでを管理職が抱える前提になっているのか
- チームとして引き受ける余地はないのか
という点です。
「管理職が有休を取れない職場」に共通すること
この手の相談を整理していくと、
多くの職場で共通する特徴があります。
- 管理職の役割が広く、曖昧
- 調整業務が属人化している
- ルールではなく善意で回っている
結果として、一番責任感の強い人が、一番損をする構造が生まれます。
これは、個人の頑張りや覚悟の問題ではありません。
問い直したいのは「誰が悪いか」ではない
この相談の本質は、
- 有休を取る職員が悪いのか
- 取れない管理職が弱いのか
という話ではありません。
- なぜその役割分担になっているのか
- その前提は、今も妥当なのか
構造と順番を見直す余地がある、という話です。
おわりに
中間管理職が有休を取れず、ストレスを溜めながら現場を回している状態は、
長く続けられるものではありません。
「我慢するしかない」と感じたときほど、一度、個人から視点を離してみる。
それだけで、違う整理の仕方が見えてくることもあります。
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