教科書通りじゃ通用しない! 社会で評価される“立ち回り力”とは

「就業規則を守り、成果も出しているのに、なぜか評価されない」。そんな経験、ありませんか?

たとえば――ある日、台風で電車が止まりました。周囲は「今日はテレワークでいいよね」とリモートを選択。一方で、わざわざタクシーで出社したAさん。誰にも褒められはしないけれど、なぜかその後の上司からの信頼度が上がっている……そんな光景、どこかで見覚えありませんか?

これは一体、何が評価されているのでしょうか?

実は、評価というのは“合理性”ではなく“感情”で動くものです。特に今の管理職世代は「無理して出社するのが当たり前だった」価値観を背負っています。大雪でも、台風でも、「どうにかして来るやつが偉い」という時代を生き抜いてきた人たちなのです。だからこそ、「来ようとしてくれた姿勢」そのものが、無意識のうちに高評価につながってしまう。

今の時代なら「何を無茶な。安全第一。身を守る行動を! が最優先でしょ?」となるわけですが、ずぶ濡れで出社した人間を悪く思う人はいません。江頭2:50さんが言っておられましたが、『3か月のレギュラーより、1回の伝説!』なのです。

これは決して論理では説明できない、まさに“非公式な印象評価”の代表例といえるでしょう。

このような構造は、ビジネスマナーの教科書には書かれていません。むしろ「安全第一」「合理的判断を」と記されている。でも現場では、こうした“見せ方”こそが問われているのです。もし同じような状況があって「チャンスが来た!」と捉えられる人は感度が高い人、ということです。

「ズルい!」と批判されるかもしれませんが、これが対取引先だとしたらどうでしょう。先方に気に入られて取引が成立して自社に利益をもたらしたなら、その人を評価しないわけにはいきません。〝ゴマすり〟とは異質な処世術ということになります。

私が提供している中堅社員向け研修「社会と会社の歩き方」でも、こうした“感情ベースの評価”を理解する重要性を強調しています。働くとは、単に成果物を納めることではなく、「人の記憶にどう残るか」という要素も含まれている。つまり、評価は「納得」ではなく「印象」で動くのです。

そして、その印象を左右する力こそが「立ち回り力」です。

たとえば新人研修「人を動かす技術」では、人を4タイプに分け、相手に合わせた伝え方の技術を学びます。ライオン型には挑戦的な姿勢を、ヒツジ型には共感を。相手の価値観に合わせて言葉を選ぶだけで、伝わり方は大きく変わります。これは媚びることではなく、“伝え方の精度”を上げる技術です。

立ち回り力とは、空気を読み、相手の「評価の物差し」を察知し、見せ方を調整する力です。そしてそれは、属人的ではなく、訓練によって誰でも身につけられるスキルです。

「合理的判断」と「感情の現実」。この二つを切り分けて考え、両方に対応できる人材こそが、組織の中で信頼され、意思決定層から評価される存在になっていきます。

全国対応で行っている私のコンサルティングでは、こうした“見えにくい空気”を可視化し、誰もが安心して活躍できる組織づくりを支援しています。教科書にない答えを、現場から導き出す。それが、私の役割です。

「理屈通りじゃないから、社会は面白い」

その視点から見えるものを、ぜひ組織運営にお役立てください。

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